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信用倍率の解説

信用倍率とは、信用取引における買い残数÷売り残数の計算式で算出し、信用取引における買い方と売り方の状況(需給動向)を示す指標です。信用取引の取り組み状況を示すことから取組倍率とも呼ばれます。また、返済期限のある制度信用取引においては、買い残を融資残、売り残を貸株残と呼ぶことから賃借倍率とも呼ばれます。

信用取引の残高数は、週末で集計し、東証より翌週の火曜日（休日の場合は水曜日）に公表されます。

信用倍率の見方

買い残数は、信用買建を行って、返済売りが行われていない株数を示します。

売り残数は、信用売建(空売り)を行って、まだ買い戻しを行っていない株数を示します。

買い残と売り残が同数ならば倍率は1倍、買い残が多ければ1倍より大きくなり、売り残が多ければ1倍より小さくなります。

信用倍率は、信用取引における買い方と売り方の状況=需給動向を表すだけでなく、時系列的にその推移を追うことにより、信用取引に伴う需給が改善傾向にあるのか、それとも悪化傾向にあるのかを判断することができます。

一般的に、信用倍率が上昇傾向にあれば需給の悪化、低下傾向にあれば需給の改善を意味します。

信用倍率の活用方法

買い残は、潜在的な売り圧力となります。買い残が多いほど株価が上昇するとすぐに返済売りが出てしまい、株価の上値が重くなったり、または株価が大幅に下落した際には、追証回避や損切りによる売りが売りを誘い、さらなる株価下落の懸念になると判断します。信用倍率が大幅に上昇してきた場合は利益確定するかどうかの目安にもなります。

売り残は、潜在的な買い圧力となります。売り残が多いほど踏み上げ相場の際には、追証回避や損切りのために買い戻しが行われ、さらなる株価上昇の期待になると判断します。

ただし、売り残数よりも買い残数のほうが平均約4倍多いため、信用倍率4倍以下は標準推移の範囲とも言えます。また、証券取引所および証券会社が定める基準をクリアした銘柄でなければ信用売建(空売り)することがそもそもできないため、スタンダード市場・グロース市場の銘柄においては信用倍率が圧倒的に大きくなるのは至極当然です。そのため、信用売建(空売り)が可能な貸借銘柄かどうか、信用倍率の平均水準である4倍を上回るかどうかを警戒基準に判断します。