RCI売買サイン点灯銘柄

RCIの解説

RCIとは、Rank Correlation Indexの略称で、日本語では順位相関指数と呼びます。イギリスの心理学者チャールズ・スピアマン氏によって1904年に考案された「スピアマンの順位相関係数」を相場に応用させたのがRCIで、日付と終値それぞれに順位をつけて相関関係を指数化し、上がり始め・下がり始めの時期と売買タイミングを捉えるテクニカル指標です。

RCIの見方

RCIの数値は、-100%(下限)〜100%(上限)の間で推移します。基本は、プラス圏である100%に近いほど買いが優勢・上昇トレンド、マイナス圏である-100%に近いほど売りが優勢・下落トレンドと判断します。80%以上から反落警戒の高値圏、-80%以下から反騰期待の底値圏と判断します。

RCIの活用方法

RCIが100%付近まで上昇した際には買われ過ぎとして、数値が下がり始めるのが確認できれば、下落トレンドになる売りサインと判断できます。

逆に徐々に下がってきて、0%を割り込み、さらに-100%付近まで到達した際には売られ過ぎとして、数値が上がり始めるのが確認できれば、上昇トレンドになる買いサインと判断できます。

RCIの分析期間は、短期の分析には9日足、中期は26日足、長期は52日足と幅広く利用されており、期間の異なるRCIと組み合わせて使うこともできます。例えば、9日足と26日足のRCIを使用する際は、以下の条件を満たした時が売りサイン・買いサインの売買タイミングと判断できます。

デッドクロス=売りサイン9日足RCIと26日足RCIが80%以上の高値圏にある状況で、9日足RCIが26日足RCIを下抜けた時
ゴールデンクロス=買いサイン9日足RCIと26日足RCIが-80%以下の底値圏にある状況で、9日足RCIが26日足RCIを上抜けた時

RCIの計算式

指標の計算は、当サイトやアプリ・ツールを利用すれば自動で行ってくれますが、計算式にもとづいた指標の理解を深めれば、本質的に何を見ている指標なのか、過去の相場の達人たちが何をポイントに相場を見ていたのか、売買サイン発生の仕組み、騙しのサインかどうか、トレードで指標をさらに活かすのに役立ちます。

RCI{ 1 - 6d } × 100(%)
n3 - n

分子の「d」部分には、価格順位と日付順位の差の絶対値の2乗の合計が入ります。分母の「n」部分は、期間で、9日足であれば9、26日足であれば26が入ります。

「d」部分について、価格順位と日付順位の付け方、その差の2乗の合計の計算について、詳しく解説します。

1.価格順位と日付順位の付け方

RCIの計算には、日付と終値のデータを用意した上でそれぞれを順位付けします。

日付の順位は単純に直近の日付の順位を1位にして、日付を遡るほど順位が下がります。

終値は、高い順に並べて順位付けします。ただし、同値の終値の日があった場合は、その順位を平均(1÷同値日数を加算)して順位付けをします。

具体的な順位付けは以下の通りです。

日付終値価格順位日付順位
1/3110051
1/301023.52
1/291023.53
1/2810324
1/2710415

2.「d」部分の合計の計算

次に価格順位と日付順位の差の絶対値を2乗します。絶対値は、原点0からの距離をあらわす値で-4であれば4を意味します。

価格順位日付順位差の絶対値の2乗
51|(5-1)|2
3.52|(3.5-2)|2
3.53|(3.5-3)|2
24|(2-4)|2
15|(1-5)|2
合計38.5

価格順位と日付順位の差の絶対値の2乗をすべて合計します。ここでは、16+2.25+0.25+4+16=38.5となりました。

38.5を「d」として、例で取り扱った日数である5を「n」として先の式に代入してみると次の通りです。

RCI{ 1 - 6 × 38.5 } × 100(%)
53 - 5

この例でのRCIは、-92.5%となり、計算式の構造からも株価の下落が続くと、RCIが-100%に近づくことがお分かりいただけるでしょう。